*SWEET LESSON*
家に着き、料金を払おうとした時。
「……何か……食わして!」
ガシッと財布を握る腕を掴まれた。
「ええ~?うちで?」
「……今…食わないと
タクシーの中で餓死しちゃいそう…」
バッ と、オジサンがこちらを振り返った。
なんか、嫌な予感。
「良いじゃない、ご飯ぐらい!ねッ?彼も辛そうだし…!」
……ああ、そう。
万が一面倒な事が起こったら大変だという気持ちもわからんではないが。
てか絶対この人死なないから!!
でも。
押しに弱いあたしは、結局ご飯を食べさせてあげる事にしたのだった。
ハンバーグを口いっぱいに頬張り
「ふぉいふぃーふぇふ(おいしーです)」
なんてうちの母親にきらきらとした笑顔を魅せる彼。
「やばい…!この子欲しい…!!」
なんて真面目な顔してお母さんがが言うもんだから
「な…!!!?」
ごふっ
お父さんが喉にご飯を詰まらせた。
そういや、前に国枝君の事 恋してる目で見てたっけ。