*SWEET LESSON*
結局お母さんは、明日のお父さんのお弁当に入れるために取っておいたハンバーグのタネを
国枝君の為に使いきってしまっていた。
「ごちそうさまでした。ゆいかさん、凄く美味しかったですよ」
にっこり。
お母さんを名前で呼ぶ辺り、確信犯なんじゃないかと思う。
「…で?どうやって帰る?タクシー呼ぼうか?」
お父さんが
持っているフォークで国枝君を刺してしまわないうちに帰したい…!!
「あ、じゃあお願い」
食後のケーキなんか食べちゃってさッ
あんたんち和菓子屋だろぉぉぉ!?
しかもあたしが取っておいた高級洋菓子店の、限定15個のショートケーキ!!
うぬぬ…!
あたしは、恐ろしいと言われている食い物の恨みを込めて
バチバチと電話のボタンをプッシュした。