*SWEET LESSON*
「でも、彼女は大和君に相応しいとは思いません。
容姿だってそれほどのものではないですし…。
それに彼女のお家は私のお父様が支援して何とかやっていけている状態です。
そんな白鳥さんがこの私の想い人を好きになるなど、図々しいとは思いませんか?
本来なら私に従うべきはずのお方じゃありませんか?」
きょとんとした顔で言ってのけた。
誰もが呆然としている。
「皆さん、そうですよね?」
ね?
と周りを見渡す伊集院さん。
「はい。仰るとおりです」
即答したのは、彼女が倒れた時、真っ先に駆け寄っていた人物
笹川さんだ。
それに続くように、女生徒たちも同意し始める。
きっと彼女たちは伊集院さんには逆らえないのだろう。
「よかった。皆さん私と同じ意見のようですね…。
では、白鳥さんのお宅には今後一切関与しないようにお父様に伝えなくては…!」
ウキウキと、授業中にもかかわらずケータイを取り出そうとする彼女。
「…伊集院さん。それは授業が終わった後にしてくれない?」
あたしはそう言うだけで精いっぱいだった。
「あ、そうですよね…。すみません。
では後ほどに致しますわねッ」
パチン。
綺麗な指で、最新のケータイを閉じ
ポケットに仕舞ってくれた。