*SWEET LESSON*



お弁当を持ち、保健室に行くと そこは…


「きゃぁーん!センセーったら、もう…」


「ねねッ!次、私も診察して下さるッ?」


「あら、次は私と決まってますのよッ」


きゃあきゃあ わいわい




女の子たちが保健室の外まであふれかえっていた。




「ほらほら!具合が悪くないんなら教室戻りなさい」



…柳瀬さん。女の子たちの中心でニヤケながら言う言葉ですか?



それでも嫌われたくないのか、渋々ながら保健室を後にする女生徒を見送って

やっとのことでデレデレした柳瀬さんと会う事が出来た。



「あれ。さなちゃんも診察されに来たの?」


バコン!!


「いった!!無言で力いっぱい殴らないでくれるッ!?しかも靴でッ」


…涙目で訴えられるとまた殴りたくなる。



「何か用?」


頭をさすりながら聞いてくる柳瀬さん。あたしは椅子に座りながら


「国枝君が“ご飯一緒にどうですか?”って」


と、ちょっと着色して伝えた。


「え、何?俺モテモテ?」



……


「あー!!冗談だからッ!靴脱がないでくれますかッ!?」



…そんなにおびえなくても良いのに。



「ったく、冗談通じない位不機嫌なのか?」


ブツブツと言いながら、お弁当を取り出す柳瀬さん。




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