*SWEET LESSON*
「それ、手作りだよね?誰から?」
あたしと約束していた、お弁当を作ってあげるという制約は
随分前にクリアしていたし
焼きそばしか作れない彼が、自分で料理を作るとは思えなかった。
「これ、さっきの女の子たちがくれた。まだまだいっぱいあるぞ」
と、引き出しから次々と出てくる、可愛らしいお弁当箱。
「一人がくれた弁当を食べるのはちょっとまずいけど
こんなにたくさんあったら大丈夫だし。せっかく作ってきてくれたんだからな」
勿体ないだろ。
笑いながら次々と蓋をあける柳瀬さん。
…何にも考えてなさそうなのに、やっぱり女の子には優しいんだね。
なんて思ってあげたのに。
「お!!これ、トリュフじゃん!こっちはタラバガニ!!やっぱりお嬢様は違うねッ」
………
「まさか、高級食材が目当てトカ?」
「…ばれた?」
ふがッ!!
「あんたは一生靴でも食ってな!!」
無理やり押し込んだあたしの靴をぶん投げて
「ちょっと!これでトイレ行ってんだろ!?酷くない!?」
なんて言ってる。
だって。
ちょっと感心したのに!!なんだか裏切られた気分さ!
「お取り込み中スミマセーン」
「国枝君」
遠慮がちに入ってきて
「SM?」
ニヤリと笑う。
「断じて!!違いますッ!!!」