*SWEET LESSON*






「それは…分かってるよ。そうでないと断ってるはずだもん」



きっとご両親の会社の事情があるのだろう。

大和にとっては、お父さんから電話なんてそうそうあるもんじゃないだろうし。


家族を大切にする大和なら、多少犠牲は払ってでも期待に応えようとするのは分かっていた。



「そ…。ならいいけど。

それにしても、見合いなんてぶっ飛んだ事してくれるよな

伊集院さんも」



「み…ッ見合いッ!!??」


ガタリと席を立つ柳瀬さん。


「ちょ!ソレどういうことか説明して!」


「………」


大和の事、そんなに好きなの?


苦笑いを浮かべ、国枝君と顔を見合わせた。


柳瀬さんをシカトし、

「あ、そうそう。ゆいかさんにお礼がしたいって、うちの両親が言ってるんだけど」

と別な話題を出してくる。


…後ろで「何でシカト!?ねぇ!!」と、バカがうるさい。




「ご両親が?なんでまた…」


「飯のお礼。そういうとこ義理堅いって言うか…。

言い出したら何が何でも実行する人たちだからさ。


悪いんだけど、都合付けてもらえないかな?」



本当に申し訳なさそうに頼まれてしまった。



「うちはいつでも。ただ、あたしもいた方がいいんでしょ?そうなると土日かな…」



「わかった。たぶん今週の土曜日に行くと思う。


……覚悟しておいて」




……どんなご両親なんだッ!



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