*SWEET LESSON*
*Two*
「おはようございますー。国枝ー言うもんです。先日のお礼にうかがわさして貰いましたー」
インターフォンの向こうに、にこにこと立つオジサンとおばさんを見つけた。
京風なのか、独特のイントネーションがやけに似合う。
「はい、お待ちください」
来たよ
とお母さんを見て、玄関に向かった。
どういうつもりなのか、パーティーに着ていく用の
一着しかない着物を着ているお母さん。
別に国枝くんのご両親が来るからって張り切らなくてもいいのに…。
ガチャリと扉を開け、
「おはようございます。どうぞお入りください」
中に促す。どこに隠れていたのか、国枝君がひょっこりと塀から顔を出す。
どやどやと中に入っていくご両親の後ろを静かに歩いて
「大声で、恥ずかしいったらないよ」
と苦笑した。
ドアを閉め、リビングに向かう。