*SWEET LESSON*
今日は土曜日で、国枝君と顔を合わせるのは5日ぶりだった。
あの後、入院中の校長に代わって 教頭先生が処分を下した。
“一週間の停学処分”
ちょっと厳しいのはきっと、伊集院さんが裏で手を回していたからに違いない。
そんな罰にも彼は笑って
「大和を宜しく」
と、爽やかに去って行った。
だけど。
あたしはアレから大和と話していなかった。
話そうとはしたのだけれど、大和を目の前にすると何を喋っていいか分からない。
それに、彼もまた、あたしを避けるようになっていた。
きっと。
殴られて血を流していた大和よりも、国枝君を優先した事に傷ついているのだろう。
そのせいか、しょっちゅう伊集院さんと一緒に居る所を見るようになった。
あたしへのあてつけなのか
はたまた、本当に彼女の事が好きになったのか
あたしには分からない。
「先日はうちの息子がえろう世話になってもーて…
詰まらんもんですけど、これ皆さんでどうぞ。うちの商品で一番ええもんを見つくろって来たさかい」
大きな重箱を赤い風呂敷で包んでるようで、結構な量がありそうだ。