*SWEET LESSON*





起きあがると、拭う事もせず ただただ溢れてくる涙をシーツの上に零す彼がいた。



「ゴメン…こんな事、したくなかった。

だけど


さなが他の男にキスされてるとこなんて見たせいで…。ゴメン…

痛かっただろ…?」



ゴメン…



三度目の“ゴメン”は、消えて無くなりそうなくらい 小さな声だった。



「あたしこそ…」



ギュッと抱きつき、同じ言葉を囁いた。




「……斐二は何で親なんか連れてさなの家に居たんだよ…」


「…大和が伊集院さんとお見合いした日、国枝君に送るように言ってくれたでしょう?

その時うちでご飯を食べて行ったの。


それで、あちらのご両親がぜひお礼がしたいっていうもんだから…」


仕方なく


そう釈明した。


だけど大和は納得がいかないみたいで。


「でもそれが何でキスする事に?」



「あ゛~~~…っと、それは……」




…隠していてもいつかはバレるよね。それに後からよりも今言ってしまった方がショックは少ない。


そう思って、会話の一部始終を教えたのだけれど…



全部聞き終わった後、大和はふらりと立ち上がり…



「国枝…地獄に連れてってやる…」



って!!



「ちょ、ストップストップ!!落ち着いて下さい!」



取り合えずベッドへ座らせる事に成功した。




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