*SWEET LESSON*
*Two*
目を開けると、真っ白な天井が見えた。
「………?」
あたし、気絶してたのか…
起きあがり、辺りを見回してみる。
壁際には大きな機材。部屋の外は何だか騒がしくて
ここは病院なんだと分かるのに、幾らもかからなかった。
腕時計を見ると、もう4時で。
昼休みに起こったあの事件から3時間近くも経っている事に驚く。
誰が連れてきてくれたんだろう…
ヘタにここを動くわけにもいかないし、もう一度横になろうかな。
枕を引き寄せようと手を伸ばしたその先に
「…クマ」
大きな茶色いクマのぬいぐるみがいた。
枕が無い所を見ると、あたしはこの子を頭の下に敷いて眠っていたのだろうか。
首に結ばれているリボンについたメッセージカードを開くと
『すぐ迎えに来るから』
大和の字でそう書いてあって。
カードと縫いぐるみを交互に見て微笑んでしまった。