*SWEET LESSON*





「取り合えず、中に入れてもらわないとッ」




大きな門のすぐ横に、守衛さんがいる建物があって。


そこに向かうと、青い服の優しそうなオジサンが小説を読んでいた。


コンコン


「すみません」



窓をノックする。



「おお。…はいはい。よこらしょ」


って、辛そうに立ち上がりましたけどッ!!こんなんで家を守れるのかしらッ



「どちらさま?」


「私、愁栄高校の長谷、と申します。御嬢さんに面会したいのですが、繋いでもらえますか?」


「じゃあ、奥様にお話ししてみるから待っててくれるかな?」



内線で電話をかける守衛さん。


ドキドキしながら行方を見守った。



「奥様、薫子様の高校の先生と仰る方が面会したいと…

はい。…はい。分かりました」



カチャリと受話器を置き


「是非お会いになりたいとの事です。今門を開けますね。

中に入って頂くとメイドがおりますので後に続いて下さい」



…意外とあっさり入れた。


ぎぎぎぎぎぎぎ…


門が自動で開いたッ


守衛さんに会釈をして、広い庭へと足を踏み入れる。



…どうでもいいけど、玄関までかなり遠いんですけどーー




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