*SWEET LESSON*



足がピタリと止まり


「ここが応接間になっております。今はリビング状態ですが」



と、緩く微笑んでくれた。


「あの…薫子さんの事で先に聞いておきたいんですけど…

この家に、高校生が来ませんでした?男の子の…」


「いらっしゃいましたよ。奥様とお話になっておられます」


「え?」



奥様?薫子さんじゃなくて?


「今もこの中におられますが」



何か?



って、心配そうに聞かれたけど…


「いえ、ちょっと気になっただけですから」


と、曖昧にし、扉の向こうに足を踏み入れた。







「あらあら先生ッ!!

こんな所までいらしていただいて、本当にありがとうございます」



40代半ば位だろうか。優しそうな顔立ちだが、縦巻きの髪がお金持ちの印象を強める。


「いえ、そんなご丁寧に…急に訪問してしまい申し訳ありません…」


挨拶をしながら、大和の姿を探す…



って。すぐ近くに居た―――!!!


ソファーに座って、偉そうに足を組みながらコーヒーなんか飲んじゃってッ!!

あたしの目線に気付いた彼は

「よぉ!」


なんて笑顔で挨拶してくるしっ!!!


な…何なの…?この状況は…






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