*SWEET LESSON*
「大和君から、お二人がお付き合いをなさっている事、聞いていたの」
「え゛!!?」
そ…そんな事を…!!!
ギロリと隣を睨むも、涼しい顔でスルーされる。
「あ、安心なさって?わたしはどなたにも言うつもりはありません。主人も存じておりますが、他言するような方ではありませんから」
ただ…
と、話を続ける。
「薫子が…大和君にご執心で。
どうしてもと頼みこまれた会食の後も、この人と結婚する なんて言うもんだから…。
ついうっかり、先生とお付き合いしている事を言ってしまったのよ」
そ…それって、うっかりしすぎじゃないですかッ!?
「…仕方ないだろ。そうでも言わなけりゃ諦めないと思ったんだよ」
だからせめるんじゃないぞ
って言われたけどッ!!
あたしは教師生命かかってんだよ!自分も他人事じゃないくせによくそんなに冷静で居れるよ…
「ごめんなさい…良かれと思った事が、また混乱を招いて…。
あの子、多嶋君をつかって問題を起こしたみたいね」
聞けば、多嶋君のお家と提携を組んでいるらしくて。
年上の多嶋君が薫子さんの言いなりになっているのはそのせいだろう
ってミドリさんは言ったけど…
好きだから、彼女の望む事をしてあげたいんだろうな…
それが恋敵との間を取り持つ事になっても。