*SWEET LESSON*
大和の冷たい視線に、彼女は眼を見開き
今まで以上に滴を溢した。
「何故なの…?
大和君まで私を怒るの?私のしている事が、そんなに悪い事!?
……ッ!!
嫌いよ、こんな家。
あなたもッお母様もッ
大和君も
大っ嫌いッ!!!!」
大和の腕を振りほどき、泣きながら走って行ってしまった。
「薫子ッ!!!」
追いかけようとしたミドリさんだけど
「…!?」
大和によって制止される。
「…今は冷静に話を聞いてくれるとは思えない。それに今向かったのは出口の方じゃない。
嫌いだとは言っても行く所もないはずだ。…心配ならメイドでも部屋の前に居させる事だな」
その言葉に何か言いたそうな顔をしていたけれど
「…そうよね」
と、納得したようだった。
すると
「俺が、部屋の前に行きます」
と、低い声が。
「多嶋君…」
赤くなった頬と、腫れている目の周りが痛々しい彼だった。