*SWEET LESSON*
-------結局、あたし達が居る間 彼女は一度も部屋から現れる事はなかった。
帰りの電車を待つ間、やり過ぎたのかもしれないという不安と
これで良いんだ という自信が
頭の中で渦を巻いていた。
でも、多少きつい言葉でも 誰かが分からせてあげなければいけない事だから。
あのままでも今は良いかもしれない。
だけど、将来彼女はどうなる?
積み重ねた悪事がきっと 彼女を孤独にするだろう。
そんな事
一教師としてほっとくわけにはいかないから。
だから…
だからね。
「頑張ったな」
って。
大和に言って貰えるだけで、自分の事を責めずに済むんだよ…
「お前だけが無理に悪者になる必要はないんだから。
我慢なんかするな。
…大丈夫。俺が全てを受け止めてやるから」
大きな、広い胸の中で
泣いた。
恥ずかしい位
子どものように。