*SWEET LESSON*
バーン!!
観音開きの漆黒のドアが開かれ その向こうには…
「伊集院さん…!!……と、国枝君!?」
目を赤く腫らした彼女が、何故か偉そうに腕を組んでいる国枝君とこちらを振り返っている状態で止まっているッ!!
国枝君は
「あ、来たのか」
なんて呑気な声で笑ってるけどッ
「どういう事だよ!!」
多嶋君が怒り狂うのも無理はない。一人で疾走した想い人が、よりによって男と一緒に居るなんて!
大和を振り返ってみても
“さあ?”って感じのジェスチャーを返されるし。
ホントに、どういう事なんでしょう!!
「あれ、またお客さんが増えたね」
驚いた顔で部屋の奥から登場したのはきっと伊集院さんのお父さんなんだろう。
見た目はすっごく若くて、きっちりとまとめられた黒髪が仕事ができる男って感じで…
なんて言うかもう
「かっこいい…」
「あ゛!?」
げッ!口に出しちゃってたよ!大和が鬼の形相でこちらを睨んでいますッ
「初めまして、薫子の父です」
「えッ…あ、初めましてッ!私、教師をしております長谷と…」
「ああ!大和君の…!!」
ああ、そうか。もうバレてるんだっけ…
はははッもう笑うしかないぞッ