*SWEET LESSON*
「ねぇ、伊集院さん…諦めてくれるかな…?」
大和の部屋。二人でソファーに手を繋ぎながら尋ねてみた。
「さぁ?好意を持ってくれるのは有り難いけど、限度だけは知ってほしいな」
なんてそっけなく言ってるけれど 口元はたっぷり余裕な笑みを浮かべている。
きっと、彼女が変わってくれる事を確信しているのだろう。
相変わらず
「意地が悪いよ」
彼の肩に頭を乗せながら、笑った。
「…色々あったけど、さなとこうして笑いあってる事がどれだけ幸せな事か
実感できて良かった気がする。
別れるなんて言われた時はホント、心臓止まりそうになったよ」
ポツリと聞こえた彼の本音。
「それって…あの屋上の時だよね…?もしかして内心は焦ってた…!?」
手はそのままに、身体だけを彼から離す。
「……どうでもいいだろそんな事」
ふいっと顔を反らす彼。だけど耳が真っ赤で…
途端にこみ上げる彼への愛情。
ああ、本当に、本当に…ッ
「大好き…ッ!!!」
「おわッ」
気持ちに任せて大和に抱きつく。
こんなにも愛してくれている彼から離れるなんて、一瞬でも考えたあたしが馬鹿すぎた。
あの時大和が首を縦に振らなくて本当に良かった…
今のこの幸せを、一瞬たりとも逃したくはない。