*SWEET LESSON*
*special taste*

*One*








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夏があっという間に過ぎ、秋、そして冬がやってきた。



月日の流れがこんなにもゆっくりに感じたのは


事件という事件が無かったせいだろう。



毎日が単調で


違う事をしているようでも、何故かいつもと同じように感じてしまう日々。



変わった事と言えば…


「こらッ!多嶋ッ

何度言ったらわかるの?私が飲みたいのはキャラメルマキアートですのよッ!?」


「それが、あの店には置いてなくて…」


「だったら他の店で買ってきたらどうなのッ!!…全く…


それでも私と付き合ってるおつもりッ!?」



道行く人がみんな、あの二人を見ている。



それもそう。今日はクリスマスイヴ。


世の中は幸せいっぱいだというのに、喧嘩腰で話している二人はやけに目立っていた。



待ち合わせのショッピングモールの前で偶然伊集院さん達を見かけたあたし。


世間から見れば喧嘩をしているように見えるけれど、あたしにとってはあんなのいつもの事で…


学校でもいつも怒られている多嶋君を見ては、哀れに思っているのだ。



だけど、多嶋君は何だか嬉しそうで


伊集院さんも彼が居ないと元気が無いように思えた。




どんな経緯があって恋人に発展したのか、幾ら聞いても


『先生には関係のない事ですわッ!!それよりもご自分の幸せを考えた方が宜しいんじゃなくてッ??』


と、皮肉たっぷりで返される始末。




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