*SWEET LESSON*
「何……ッで男子校なのー!!!?」
22歳の春。
教員免許をとったあたしが最初に赴任したのは
私立 愁栄(シュウエイ)高等学校という、超エリート学校で。
しかも男子しか居ないなんて…
「あたしの理想が…」
ポソリ と呟いた声が、前を歩く教頭先生の耳にも入ったようで。
「長谷さん?どうしました?」
と気を遣われてしまった。
「あ…いえッ!」
慌てて笑顔をつくる。
赴任前に一度説明を と言われ、春休みで誰も生徒が居ない校舎に呼び出された。
先生の数も疎らで
職員室に居る人しか来ていない と言われた。教頭先生を入れて4人しかいない淋しい職員室。
教頭先生は、その4人を集めて自己紹介をはじめる。
「こちらはこの春から赴任される 長谷沙菜さんです」
「長谷です。どうぞよろしくお願いいたします」
頭を下げると みんな優しく微笑んで拍手をしてくれた。