*SWEET LESSON*




「何……ッで男子校なのー!!!?」






22歳の春。



教員免許をとったあたしが最初に赴任したのは



私立 愁栄(シュウエイ)高等学校という、超エリート学校で。


しかも男子しか居ないなんて…



「あたしの理想が…」


ポソリ と呟いた声が、前を歩く教頭先生の耳にも入ったようで。


「長谷さん?どうしました?」


と気を遣われてしまった。




「あ…いえッ!」



慌てて笑顔をつくる。




赴任前に一度説明を と言われ、春休みで誰も生徒が居ない校舎に呼び出された。




先生の数も疎らで


職員室に居る人しか来ていない と言われた。教頭先生を入れて4人しかいない淋しい職員室。



教頭先生は、その4人を集めて自己紹介をはじめる。



「こちらはこの春から赴任される 長谷沙菜さんです」



「長谷です。どうぞよろしくお願いいたします」



頭を下げると みんな優しく微笑んで拍手をしてくれた。






< 3 / 365 >

この作品をシェア

pagetop