*SWEET LESSON*



気合の入ったあたしの返事に薫ちゃんは


「きゃ~ん♪さなならそう言うと思ってたわよぉ~!!」


と、その場でぴょんぴょんと跳ね、周りから好奇の目で見られていた。




「そうと決まったら!一回会社行くわよ!!そんな恰好じゃ、変人だと思われるわっ」



っておいぃぃ!!

あたしはスーツだよ!?そんな露出が激しいサンタに言われたくないわ!!


心の中で悪態を吐き、腕を引かれるままに歩く。



速足だったせいか

幾らもかからずに薫ちゃんの働くデザイン事務所に着いた。


警備員さんに従業員証を見せて、『この子はあたしのお友達よッ』ってにこやかに紹介されてしまった。


何故か仲が良いらしく たったそれだけの会話であっさりと建物の中に入れてしまった!!


薫ちゃんが信用されているのか、あるいは警備がゆるゆるなのか。


…前者でありますように。



「お入りなさい♪」

あたしの心配をよそに
さぁさぁ と背中を押して、カラフルな服が並ぶ衣裳部屋へと案内された。



そして



「どれでも好きなもの、着なさいな」


そう気前よく言われたあたしの心境。


嬉しいんだけど…本当はここの物全部欲しいんだけどッ


「許可とか、大丈夫?」


幾らここで働いていると言っても、薫ちゃんは新入社員なわけだしっ


勝手にこんな高価そうな服着て


あまつ その会社のパーティーに潜入しようものなら…ッ



その責任がどうとかで

「…薫ちゃんが辞めさせられたりしたら 困るッ!!!」



まだ駆け出しの新人教師の私には、薫ちゃんを養ってあげられるほどの経済力が無いぃぃ!!!



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