*SWEET LESSON*




怒りの鉄拳を喰らわせる前に、危機を感じたらしい薫ちゃんは

そそくさと広い車内へと乗り込んだ。


羞恥心と怒りを抱えながら、あたしもシートに腰かける。



優しく大城さんが扉を閉めると


「…ごめんごめん。悪気はなかったのよぉ…。許して♪

ほらっコレ飲みましょう~!!」


と、シャンパンをグラスに注いで手渡してきたッ


「うわ…こんなの、テレビでしか観た事無い…」


外観は想像よりも長かったし、中だってかなり広い。10人位は乗れるんじゃないだろうか…


テレビも3台あるし、曲だって聞けるように カッコいいオーディオも備え付けられててッ


「運転、大変じゃないかなッ??」


率直な感想を言っただけなのに、また笑われる羽目になった!


「そんなの、プロなんだから!!普通は料金トカ気にしない??」


「あ、そっか。高そうだよねー」


取ってつけたような質問に苦笑しながら


「うちの社長気前良いから。遅れてくる人にはみんなハイヤーが手配されてるのよー」


うっとりとする薫ちゃん。…待てよ?まさか…


「リムジン目当てで、わざとあたしと待ち合わせした?」



「あはッ☆バレた?でも、良いじゃないッ!こうやって一生のうち乗れるかどうかも分からない車に乗れたんだからッ」



まぁ、そうだけど…あたし行くって決まって無かったしね。


急に降ってきた幸運に戸惑っているんだ、きっと。



20分程度で車の動きは止まり、大城さんが扉を開けてくれた。



「到着いたしました。足元にお気を付け下さい」


こんなの、お嬢様になった気分で 快感!!!



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