*SWEET LESSON*




あたしも飲み物を取ってくる

と薫ちゃんに伝えて、食べ物があるブースに向かった。


近づく度に鼻と胃を刺激する良いにおい…


5メートル程のテーブルの上には数々の見た事のない位高級そうな食事が並んでいてッ!!


「元は取って帰ろうかなッ……タダだけどッ」



お皿を二つ手にとって、見るからに高そうな…例えば、キャビアが乗ったクラッカーとか

国産鶏のハーブローストとかッ


社員の友達なら誰でも2人まで連れてきて良いなんて


「社長って再ッ高ッ!!!」


言いながら後ろを振り返ったら!!


ドンッ  


「あ……!」



周防カナトーーーーー!!!!!


や…やっだぁぁ!!ぶつかっちゃったぁァ♪この手と腕は一生洗わないッ!!


なんて浮かれた思考もすぐにストップされる。


「す…すみません!!ここ…シミがッ…!!!」


「え…?」


きっとチキンのタレかなんかが、高そうなスーツにオシャレすぎる模様を作っていて!



「ど…どうしよう…ッ!あッこれ、取り合えず使って下さいッ」


弁償しろなんて言われたら、どれだけお金かかるんだろうか とか

怒って追い出されたらどうしよう とか


またしてもネガティブ思考になっていてッ


彼に渡したハンカチが、ブッサイクなキャラものの恥ずかしいハンカチだという事をすっかり忘れていたのだった。



「…可愛いよね、このキャラ。にょん太…だっけ」


「え゛!?…あ゛!!!」


マズイよ!!こんなキャラもののハンカチなんて間抜けすぎだぁぁぁぁぁー!!



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