*SWEET LESSON*
ままま…マズイッ!!!
「カ…カナトさんッ…手、離してください…」
巻き込むわけにはいかない。
今の大和なら 殴りかかってもおかしくない程の期限の悪さだッ
だけど…
「…手、繋ぐの嫌だった?」
捨てられた子犬のような…何とも言えない表情で見つめられてッ!!
あまつさえ『ク~ン』なんて効果音が聞こえてくるのは何故でしょうか!!
「あ…あのッ…嫌とかそういうんじゃなくって…!
その…
巻き込んじゃ迷惑ですから…」
精一杯のお断りの言葉だったけど…
「何故?俺は迷惑だなんて思ってないけど。
だから、困ってる君をほっとくなんて 出来ない」
そう言って、向かってくる大和とあたしの間に庇うようにして立ったカナト。
背中が大きくて、前が見えない。
だけど、誰もがあたし達に注目している事は雰囲気で分かる。
それに…良かった。
きっとあたしの今の顔は 人生で最大なんじゃないかと思う位の
呆けた顔をしている筈だから。
ピリッ…
空気が張り詰める。
大和が来た。そう直感した。