*SWEET LESSON*
「てめぇ…どけよ」
全ての感情を抑えた低い声。
…あたしが今までに、大和以外の人と手なんて繋いだ事はなかった。
それは、何かが起こる前に大和が妨害していたからだ…と思う。
だからこんなあたしの姿を見た事が無いせいで
いつも以上に彼が何を仕出かすか分からなかった。
「…この子は君の何?」
「あ゛?テメェこそ何なんだよ。良いからどけよ!
さなは俺の女だ!!」
ドキッ…
大和…必死、なんだね? 必死であたしを愛してくれてるんだね…?
「女…?そう、そうなんだ。
でも、きちんと愛せているのかな?必死なのは分かる。彼女は…そう。魅力的だ。
君も気が気じゃないんだろうね。
だからってそんな、自分の物みたいに扱っていいの?」
「……んなこと…ッ」
分かってるんだよ…
ポツリとそう聞こえた。
「分かってる…か。
そうだね。そう…。
君は分かっているからこそ必死なんだ。だって君は
子どもだから」