*SWEET LESSON*
「どうして、カナトに言われた事に反論しなかったの?
あたしの事、嫌いになった?」
しゃがみこむ大和と同じ目線を作って聞いてみた。
「違うよ…。
でも、当たってるから」
自分が必死過ぎて、さなの自由を奪ってる事
子どもだから、そうやって閉じ込める以外に一緒に居れる方法が無い事
全部当たっていたから
「反論どころか、止める余裕さえなかった。
自分よりもずっと大人で、社交的で、立派すぎる位の仕事も持ってて
だから、俺
こんなガキ臭いヤツと一緒に居る位なら、あいつの所に行った方が幸せになれるんじゃないかって…」
……懐かしい。
こんな時に笑うのもどうかと思ったけど
昔の、幼いころの大和を思い出してしまったから。
一生懸命あたしの後ろを追いかけて来て
大好きだよ
愛してるよ
って、そう言ってくれた彼の事を。
あの時の大和も、こんな表情をしていた。
自身が無くて
だけど誰よりもあたしを愛し、心配してくれて
そして 守ってくれた。
その愛にあたしの心は動かされたんだ。