*SWEET LESSON*
『そんなの、教師と付き合ってるおバカな俺を、世間にバレる前に
厄介者払いしただけに決まってんだろ?』
って大和は顔をしかめていたけど
話に聞いていたよりも穏やかな表情で、優しい言葉をかけて来てくれた理事長が
ちょっとだけ好きになった。
-----そして、修了式。
この日で大和は学校から離れ、お父さんの会社で 経営の基礎から学ぶ事になっている。
国枝君や伊集院さん達はやめる理由を知っているけど
他の人たちには“家庭の事情”という事で話は通してある。
みんな、大和が好きだった。
頭が良くて、カッコ良くて。
なんだかんだ言っても、人の為に自分を犠牲にする優しい大和が。
…ほら、ね。
みんな彼の事を思って泣いてるんだよ?
だから、この一瞬一瞬を大事にしてほしい。
人との触れ合いが自分を強くする。
支え合う事で、理解できる。
…社会人になれば、否応なしに思い知らされる筈。
でも、こんなに好かれる彼ならきっと
どんな事でも乗り越えられるんだろうな。