*SWEET LESSON*




『そんなの、教師と付き合ってるおバカな俺を、世間にバレる前に


厄介者払いしただけに決まってんだろ?』



って大和は顔をしかめていたけど



話に聞いていたよりも穏やかな表情で、優しい言葉をかけて来てくれた理事長が



ちょっとだけ好きになった。





-----そして、修了式。




この日で大和は学校から離れ、お父さんの会社で 経営の基礎から学ぶ事になっている。




国枝君や伊集院さん達はやめる理由を知っているけど



他の人たちには“家庭の事情”という事で話は通してある。





みんな、大和が好きだった。




頭が良くて、カッコ良くて。



なんだかんだ言っても、人の為に自分を犠牲にする優しい大和が。




…ほら、ね。



みんな彼の事を思って泣いてるんだよ?




だから、この一瞬一瞬を大事にしてほしい。








人との触れ合いが自分を強くする。




支え合う事で、理解できる。




…社会人になれば、否応なしに思い知らされる筈。





でも、こんなに好かれる彼ならきっと




どんな事でも乗り越えられるんだろうな。





< 353 / 365 >

この作品をシェア

pagetop