*SWEET LESSON*




[俺が降りたら、遠回りするように柳瀬に道案内しろ。家に着いたら俺の部屋に来るように。

お仕置きしてあげるよ]




……幻覚だと思いたい程の鬼畜な文章に、顔が究極に引きつった。



返信はせずに、パタンと画面を閉じる。



そして



「あ、先生。ここで降ろして下さい。塾がある事をすっかり忘れていました」



大和は家の近くの駅から 少し離れた道で降ろすように柳瀬さんに話す。


「塾?じゃあ送って行くよ」


柳瀬さんは「どこ?」と言いながら、歩道に車をつけて止めた。



「いえ。そこの駅にあるので。それに、長谷先生が心配ですから…」


僕は大丈夫です


と微笑んでみせる大和。




「そーか…。じゃあ、悪いな…。気をつけて帰れよ?また明日学校で」


「はい、先生方も気をつけて。さようなら」



バタン。





ドアが閉まり、発信した車。後ろの窓から大和を見てみると、律儀に手を振って見送っていた。




「あいつ、良い奴なんだなー。関係ないのに心配だからってお前を助けに、一緒に来てくれたんだぞ?

お前のファンになったらしい」




ケラケラと笑いながら 良かったなー なんて言ってきた柳瀬さんに、


心の中で謝罪した。



ゴメンナサイ。柳瀬さんよりは確実に関係あります…




< 52 / 365 >

この作品をシェア

pagetop