*SWEET LESSON*
「顔は悪くないんだけど、化粧が濃くて。ほら、俺って人工香料とか苦手だろ?香水とか。シャンプーも大丈夫な匂いってさなの使ってるもん位だし…。
化粧の匂いなんて最悪だよ、特に5メートル離れてても臭い時なんかは悶絶しそうになる」
…楽しそうにご自分の見解を述べる殿だけど
今度はあたしが不機嫌になる番だった。
「ずいぶん楽しそうだね?そんなにその人が良かった?」
精一杯の皮肉。
その攻撃が彼に効いてると思っていたのに 大和は嬉しそうに口元を釣り上げた。
「わかった?誰であろうと異性の車に二人っきりで乗ってるとこなんて、想像しただけでムカつくんだよ。
今お前が感じた様に、俺だって腹立たしく思ってるんだ。
しかも目の前で告白されたんだぞ。少し位いじめても許される」
う…
それは…確かにそうだ。
あたしだって目の前で大和が誰かに告白されるなんて事、本当にあったら卒倒しそうだもん。
「ごめん…」
素直に謝る。だけど…
「何に謝ってる?告白されたこと?
それはお前がどうにかできることじゃない。
俺はその後が問題だと言っているんだ」
いや、いつ言った?
ってか、その後?
「あたし、何かしたっけ…」
「ふーん…。とぼけんの?
…嬉しそうに笑ってたじゃん」
「あ…!」
あれは!
と、弁解する前に腕を掴まれ ずるずると引きずられる様にどこかへ連行された。