*SWEET LESSON*









――――――――――――



次の日。




「はい、これとこれ。あとあれも頼もっかなぁぁ?」



「は…はい!わかりました!!」



一夜明け、約束通りあたし達は安本さんに雑用を頼んでいた。


が。



被害者のあたしではなくて、明らかに柳瀬さんの方が量的に多い。



ベッドの上に高く積まれたプリントやファイルは今にも崩れそうだ。


保健室でこのやりとりをする訳は、人目につく所だと何を噂されるか分ったもんじゃないから。



思った以上に世間てのは狭い。ましてやこんなへき地みたいな所じゃ、ちょっとでも変な事をすれば直ぐに校長まで話が行くだろう。



…と言っても、校長は今 持病のヘルニアが悪化したとかで入院してるらしいんだけど…。



「長谷先生はこれだけでいいんですか?しかも途中まで書いて……って。これ、僕には無理ですよ…」


「?お前、何頼んだんだ?」



安本先生の手にあるプリントを覗き込んだ柳瀬さんは


小さく「うーっわ!」と言った。




「やっぱり?まずいですかね…」





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