*SWEET LESSON*




柳瀬先生に幾らかの腹立ちを覚えながら、定時を告げるチャイムが鳴り響いたのを聞いた。



「やった。今日も無事終わりましたねぇぇ」



うふふ。今日はニャックドバーガーで何か食べてからかえろーっと。


でも、そんな考えはいとも簡単に踏みつぶされてしまう。



「何言ってんだ。残業しろ、残業!!」


「ええぇぇぇ!!!?何で?やることないのに?」



「はぁ?お前、明後日はもう教壇に立つんだろ?今日中にプリント完成させて安本さんに渡せよ。もし違ってたらなおす暇ないだろーが。

どうせ安本さんはまだ帰れないから」



そりゃ、あんたの雑用が多いせいだろ。



「ほら、呆けてないでさっさとやる!終わったら俺様が送ってやるから」



お……俺様 ですと?


っつーか、別に送ってもらいたくないし。



「残業は解りましたけど、送っていらないです。

用事ありますから」


「…ふーん」



あ…明らかに拗ねてる。


この人、大和並にめんどくさい男だな!



「じゃあ、終わったら持ってきますから…。申し訳ないですけど、もう少し待っててもらえますか?」


「ええ。勿論です」



ニコリとする安本さんと拗ね男を交互に見て、あたしは職員室に向かった。






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