*SWEET LESSON*




校舎の壁に あたしの声がこだました。




そんな子どものいたずらみたいな事に振り回されたあたしって…。


「だから大人しく俺の車に…」

そこまで言った柳瀬さんの声を 誰かが遮った。




「さな?何してんだ?」



振り向くと、そこには和樹が居て。あろうことか柳瀬さんを睨んでた…




「誰?あんた。こいつと約束してたやつか?」


こちらもやる気満々で…。


過去に告白された男と、現在告白されている状態の男があたしを板挟みにする…ッ!!


「だったらなんだよ。っつーか。お前こそ誰だ」




ヤメテッ!あたしの為に争わないで!


なんて言える筈もなく。



こんな場面にまさか大和まで現れないだろうな?と、心配しているだけだった。



「同僚だけど?」


「あぁ、そう。じゃあ俺たちは約束があるから」



おい、和樹。


あんた名乗ってないよ?ってか、柳瀬さんも名前言わんのか。



「お前、さなの彼氏なのか…?」



「あ゛?」





ッッッおいぃぃ!!!その質問はあかんやろぉぉ!!!






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