*SWEET LESSON*




あたしがストローを咥えながら考え込んでいると、

「なーに真面目になってんだよ!ジョーダンだろ?笑えよ」


「あ…あはは」



じゃあ、さっきのあなたの真面目な顔もネタの為だって事ですか?


とは聞く勇気がなかった。



それに、なんだか今は淋しげで…。


冗談じゃないんじゃないか と思っちゃうほど。



何だか微妙な空気になりかけたけど、



「そろそろ帰るか」


と和樹が言ってくれたおかげで、この場から立ち去ることができた。



先生とはまた会おうと口約束だけで済ませ、出口に向かう。




カシャーン。



あたしの横でトレイが落ちた音がし、顔を向けてみるとまたさっきの店員だった。



「屋良クン、今日おかしいよ?体調悪い?」


「……ちょっと風邪気味で。すみません…」



良くここに立ち寄るけれど、彼の姿はたまに見るくらい。



「!けほ…ッ!!」


うう…。あたしも何だかのどが痛い。


季節の変わり目って、どうしてこう風邪をひきやすいんだろう。



「大丈夫か?

送ってやるから車に乗れよ」


「ありがと、和樹…」


あたしは大人しく、和樹に送ってもらい


また会う約束をして、家に入った。






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