あなたがいてあなたといて【短編】

ウザイって思われたくないし。


未練がましいとも思われたくない。


かといって気にならないと言えば嘘になる。



余計なプライドなんて捨ててさっさと聞いちゃえばいいのに


結局、自分のプライドが邪魔をして聞けずにいるんだ。


自分が問題なのに、切り出せない。


それに、彼女だよなんて言われたときにはもう立ち直れない気がして苦しかった。


プライドと夏惟を想う気持ちの板挟み。


苦しくて苦しくてなのに抜け出せない。


泣きたい気持ちを抑えまーやを見ると「泣かないの」と頭をぽんぽんとされた。

「ウウッ…」


でも、あたしの涙腺は緩み泣かないと決めたのに瞳からは大粒の涙が溢れていた。


まーやは、優しく微笑んで背中を擦ってくれた。


幸い、教室の隅の方だったし、朝早いということもありクラスメートに気づかれることはなかった。



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