あなたがいてあなたといて【短編】


「ウウッ…ウッ…」


今まで、我慢していた涙が止めどなく溢れてきた。


教室だっていうのに、泣き崩れるあたしを夏惟は人気の少ないベンチに誘導してくれた。


「グズッ…ウッ…ごめ、ん…ね?」


「気にすんな」


夏惟の優しさにまた涙が止まらない。


大好き…大好き


それしか、出てこなくて

どうしたらいいの?


だって、こんなに優しくされたら期待しちゃうよ?


自惚れちゃうよ?


あたし、バカだからさ…

ねぇ、答えてよ…


夏惟…
< 30 / 46 >

この作品をシェア

pagetop