あなたがいてあなたといて【短編】
「ウウッ…ウッ…」
今まで、我慢していた涙が止めどなく溢れてきた。
教室だっていうのに、泣き崩れるあたしを夏惟は人気の少ないベンチに誘導してくれた。
「グズッ…ウッ…ごめ、ん…ね?」
「気にすんな」
夏惟の優しさにまた涙が止まらない。
大好き…大好き
それしか、出てこなくて
どうしたらいいの?
だって、こんなに優しくされたら期待しちゃうよ?
自惚れちゃうよ?
あたし、バカだからさ…
ねぇ、答えてよ…
夏惟…