あなたがいてあなたといて【短編】
あたしは、困った顔の夏惟に
「冗談♪」
そう言って笑って見せた。
でも、夏惟はそんなあたしを悲しそうに見るだけ。
あたし、上手く笑えてなかった?
そんな顔してほしいわけじゃないのに…
笑ってほしいだけなのに…
上手くいかないね?
「夏惟…もう、こんなこと聞かないから…笑ってよ」
もう、二度と夏惟を困らせたりしないよ。
泣いたりしないよ。
あたし、強くなる。
そして、夏惟の幸せを祝福出来るようになるからね…
だから、
「笑って?」