あなたがいてあなたといて【短編】
足がすくんでその場から動けなくなった。
嫌、嫌だ…
夏惟が他の女の子と楽しそうに喋っているとこなんて見たくない。
他の女の子に笑いかケテルトコなんて見たくないよ。
彼女でもないのに、図々しいと思う。
でも、嫌なの…
目の前の光景を認めたくなくてあたしは、走って公園を出た。
ただ、ただ走って
泣いた。
わかっていたはずなのに、辛いよ。
『でも、あんなにカッコいいんじゃ、彼女いるんじゃない?』
いつか、親友が言っていた言葉。
そうだよ…
そんなこと、全部わかっていて夏惟のこと好きになったのに。
なのに、なんでこんなにも傷ついてるの?