真面目なあたしは悪MANに恋をする
年末は友人関係も大掃除!?
12月31日の朝に、携帯がけたたましく鳴った

「葉南、鳴ってるよぉ」

ナツの眠そうな声とともに、身体が揺れた

「ふわぁ…眠いよぉ」

あたしはコタツの中に潜りながらも、手だけでテーブルの上にあるであろう携帯を探す

バンバンと手とテーブルがぶつかる音が聞こえるものの、なかなか携帯が見つからない

「はい、葉南!」

あたしの手の中に携帯を置いてくれたのは、茉莉だった

「あ…ありがと」

あたしはぎこちない笑みで、茉莉を見てから、携帯の液晶に目をやった

『とんかつ膳』

あ…バイト先からだ

どうしたんだろう

あたしはこたつからもぞもぞと上半身を出すと、携帯を耳にあてた

「…はい?」

『片岡です』

「は…はいっ!」

あたしは必要以上に大きな声をあげた

テレビ電話でもないのに、きちんと座って、寝癖で乱れている髪を片手で抑え込んでみる

< 102 / 438 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop