真面目なあたしは悪MANに恋をする
「え?」

あたしも片岡君の顔を見て、首を傾げた

「いいんですか?」

「え? 断らないとなの?」

「断ってもらいたくて告白するわけないでしょ! ただ、前に…」

片岡君が言い難そうに、頭の後ろを掻いた

「答えは出てないよ。考えても、答は出なそうだけどね。『好き』な気持ちって、理解しちゃったらきっと詰まらない感情になっちゃうよ」

「本当にいいんですか?」

「だから、断ったほうが良かった?」

「違いますよ!」

片岡君が息を吐き出しながら、あたしの隣に座る

あたしの左肩が、片岡君の温もりで温かくなる

「僕は…普通じゃないし」

「え? なんか障害とか持ってた?」

「違いますよ。言いたいことはわかってるのに、話をそらさないでくださいよ」

片岡君が、あたしの手をぺちんと叩いた

「族のこと? 赤族は怖くないよ。みんな、良い人たちに見える。片岡君は、人望の厚い人なんだなあって、ケンケンたちと話して思ったよ」

「なら、いいんですけど」

「気にしてくれてありがとう」

「いえ…僕は、葉南さんが好きですから」

片岡君が、またそっぽを向いてしまった

顔が赤くなると、すぐに視線をそらしちゃう

もっとこっちを見て欲しいよ

どんな顔をしているのか、見たいよ
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