真面目なあたしは悪MANに恋をする
携帯を握りしめたまま、あたしはため息を零すと携帯の着メールが鳴った

『ちょっと! こんなメールが来たよ』

液晶にはナツの名前と、メールのタイトルが表示された

え? こんなメールって?

『>実は私、葉南に裏切られました! 合コンの夜、葉南は寺島君に告白して、振られていたんだよね。寺島君は、葉南の前で私が好きだって言ってくれて…だから私と寺島君が付き合ってるのは、葉南だって知ってたはずなのに。クリスマスパーティのとき、知らないふりをしてみんなの前で泣いて、被害者ヅラなんてして…ひどいと思わない? それにね、寺島君と同じバイト先だからって私の悪口ばっかり、吹きこんでいたんだよ。酷い女でしょー。私、こんなひどい人と友達でいたくないの。だから、正月明けで学校が始まったらさぁ。葉南を無視しない?…てか、私はもうあの子と話をしたくないから。あんな酷いことができる女だとは思わなかったよ。おかげで寺島君とは連絡が取れなくなっちゃうし、もう最悪です』

ナツから届いたメールの内容を見て、愕然とした

ナニ、これ

何を考えてるのよっ!

嘘ばっかりメールに書かないでよ

あたしは驚きとショックを隠せないまま、ナツに電話した

ナツもあたしからの電話を待っていてくれたのか…すぐに出てくれた

「あ…あた…た、あたし、そんなことしてないっ」

電話に出たナツに向かって、叫んだ

『わかってるって。私は、葉南の性格を知ってるから、葉南があんなことをしてないってわかってるよ。でも……』
< 123 / 438 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop