真面目なあたしは悪MANに恋をする
「うちらが信じなかったからさ、他の人たちに葉南の悪口を言いたい放題言ってたみたい」

知美がやれやれと言わんばかりの顔で、肩をすくめた

「大丈夫! あたし、みんなが信じてくれただけで嬉しいから」

『ツルんでる必要はないですよ』

片岡君の声が蘇った

そうだね、もう茉莉とツルむ必要なんてないんだ

あたしを信じてくれた友人たちだけでいい

あたしをわかってくれる友達が一番だよ

「魔性だね、茉莉はさ。ああやって他人を食い物にして、これから先も生きていくんだよ」

知美が、茉莉を一睨みしてから席に戻る

魔性か

確かにそうかもしれないね

茉莉の女らしさに、騙される男性はこれから多いと思うよ

あたしは茉莉がいてくれて良かったかもしれない

だって寺島君がどういう男を知ったし、片岡君とも仲良くなれた

クリスマスイブで、茉莉が寺島君に会いに行ってたからこそ、この年末年始はあたしにとってかけがえのない人生の出来事になったから
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