真面目なあたしは悪MANに恋をする
「あ…」

あたしは瞼を持ちあげると、小さな声をあげた

白い天井が見えると思うなり、ナツと知美と彩音と亮子の顔がドンと現れた

「大丈夫? 記憶喪失とかなってない?」

ナツが聞いてくる

「あたし、落ちた」

「うん、階段から落ちて、救急車で運ばれたんだよ。脳震とうと、全身の打撲だって!」

知美が、涙目で教えてくれる

「うん、身体が痛いよ」

「学校で、葉南の両親に連絡してくれたんだけど、二人とも仕事で夕方まで来れないから、帰れるようなら家に帰ってて欲しいって先生に言ってたらしいよ」

彩音があたしの手を握って、口を開いてくれる

「あ…うん。ウチは共働きだから、仕方ないよ」

あたしは苦笑した

いつものことだから

あたしが高熱で、学校からお迎えのお願いをしても一人で帰るか…タクシーで帰らせるように伝えてって言うだけだったから

頭がズキンズキンするよ

「さっきまで担任がいたんだけどさ…葉南が気がついたら、帰っていいって言葉を聞いてさっさと帰っちゃったよ」

亮子が苦笑いして口を開いた

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