真面目なあたしは悪MANに恋をする
「頭痛薬ってもらえないかあ…」

「痛いの?」

ナツは心配そうに、首を曲げる

「うん…耳鳴りも酷いよ」

「じゃあ、ちょっと聞いてくるね」

ナツが病室を出ると、パタパタと遠ざかる足尾とが聞こえた

ナツがいなくなると、知美が「実はさ」とおもむろに口を開いた

「ナツから、全部聞いたんだよね。クリスマスイブのあとのこと…さ。茉莉からのメールが来て、困惑した。何がなんだかわからなくて、どっちを信用していいのかも…決められなくてさ。そしたらナツから、一回会おうって言われて。葉南のことを聞いたんだ。だから彼氏がいるのも、彼氏が族長さんだってことも知ってるんだ。ナツに黙ってるように言われてさ、知らないふりをしてただけなんだ。ごめんっ」

知美たちが頭をさげた

「あ…ううん。なんだ、知ってたのか。族だって知られたら、引かれるかと思って言えなくて…あたしこそごめん。それとありがとう。今朝、教室で手を振ってくれた時はすごく嬉しかったんだ。わかってくれてる人がいなかったらどうしよう…って不安で、ずっと心が苦しかった」

「茉莉がさ…あそこまでするとは思わなかったよ。葉南を突き落としたとき、高笑いしてたんだよね。マジ、鳥肌が立ったよ。葉南を信じて良かったって、思った。じゃなかったら、今頃、茉莉を信じてしまった自分を恨んでたと思う」

亮子もぎこちない笑顔で、あたしに言ってくれる

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