真面目なあたしは悪MANに恋をする

「何をするの？」

「うーん、そうだねえ。ケンケンなら、今までその女の子がしてきたことを後悔させるような恋愛でも提供するんじゃないのかな？　どうせ今までだって、気に入らない女の子の恋人や好きな人を奪ってきたんだろうからねえ」

「あのぉ…どうして茉莉のことを知ってるの？」

「ああ、そりゃあ、調べたからね。俺たちの情報網を舐めちゃ困るよ？」

「いや…別に、舐めてないよけど。何でも知ってるからすごいなあって」

「そりゃ、チョーが俺たちの長だからね」

バックミラー越しに、透理さんが笑みを送るとそこで話が終了した

ケンケンは茉莉に何をするのだろう

「今回は、途中でやめたりしないから」

片岡君がぼそっと小さな声で呟いた

「え？」

「茉莉って子が可哀そうだから止めてって言われても、今回はやめないから」

片岡君は窓を見つめたまま、あたしの手を握ってきた

今日の片岡君の手はとても冷たくて、思わず身震いをした

「僕は怒ってるんだ。葉南さんを階段から突き落とすなんて…彼女が女でなくて、男なら僕自らケリをつけられるのに。女だから、暴行はできない。本当はケンに頼まず、僕の手で決着をつけたいのに…それができなくて悔しい」

片岡君が低い声で、口にする