真面目なあたしは悪MANに恋をする
「暴露話ばっかで申し訳ないけど、俺はお金のある女じゃないと愛情がわかないんだ。よくお金に恋をしている…なんて言われるけど、その通りだよね。お金さえもってる女性なら、浮気だろうが、二股だろうが、関係ないんだよ。逆にケンケンは、誰も愛せない。優しいけど本気じゃない。誰とでも恋愛はできるけど、心の奥に眠ってる彼を起こすのは、誰もいない」

「いるだろ」

片岡君がぼそっと口にする

「一人だけね。もう会えないけど」

透理さんが苦笑した顔が、ミラーに映った

「ま、そういうことだから! 葉南ちゃんは気にしなくていいんだよ。もし、茉莉って子がお金を持っているようだったら、俺が立候補してたくらいだよぉ」

透理さんが明るい声で、笑った

この先、茉莉はどうなるんだろう

ケンケンはどうするつもりなんだろう

あたしは平気だよ

気にしないでいいのに

茉莉があたしから離れてくれた今なら、もう…怖くないよ
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