真面目なあたしは悪MANに恋をする
そ…それも恥ずかしいんですけどぉ

なんで? どうして片岡君は平気なの?

冷静にしていられるの?

「あ…あわ、あわわ」

あたしは何を言っていいかわからなくて、眉に力を入れたまま、目に涙を溜めた

いつもなら、片岡君のほうが先に顔が真っ赤になるのに…

片岡君のほうが、動揺するのに…なんで今日は普通なの?

なんであたしばっかりが、おどおどしてドキドキしてるの?

片岡君はあたしの前髪を細い指で、撫でると額にキスをした

反対の手であたしの後頭部に触れると肩にもたれるように軽く押してくる

あたしは、片岡君に身を委ねるように肩の上に頭を置いた

「か…片岡くぅん、は、恥ずかしいよぉ」

「『賢悟』だろ」

片岡君が、あたしの耳に息を吹きかける

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