真面目なあたしは悪MANに恋をする
「『うん』って言って」

片岡君が、小声であたしに囁いてくる

あたしはコクンと頷くと、透理さんに視線を送った

「えー? ハナちゃんがチョーんちに行くんじゃ、俺…どうすりゃあいいの?」

ケンケンが声をあげる

またバサっと音がする

「マサ、痛いってば」

「俺、透理さんちに行っていいよね?」

「いいよ」

マサ君の質問に、透理さんが笑顔で承諾をする

「んじゃ、俺も…」

「定員オーバーで無理」

「ええっ?」

透理さんがあっさりと却下してしまう

マサ君はオッケーで、ケンケンは駄目なの?

あたしは振り返ってケンケンの顔を見た

ケンケンが肩をがっくりと落として、ため息をついた

「ホテル行く?」

茉莉がケンケンの太ももを触って、口を開いた

「俺、金ないもん」

ケンケンがぷいっと不貞腐れたように横を向いた

「バイクと車に金を使い過ぎなんだよ」

片岡君が、ケンケンに口を開いた

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