真面目なあたしは悪MANに恋をする
「だって仕方ねえじゃん。バイクと車だけが俺の愛に応えてくれるんだから」

「葉南の声が聞こえてもいいなら、構わねえよ」

「まじで? 良かったぁ。宿なしで一晩過ごすのはつらいっすよ」

な…何を言っているの?

「あ…じゃあ、私もぉ…」

茉莉が、恐る恐る声を出してきた

「馬鹿じゃないの?」

茉莉の隣に座っているマサ君が、冷たい言葉を放った

「何よ、なにか文句あるの?」

「別にぃ。どうでもいい女に文句なんて、生まれないし。馬鹿な女すぎで、呆れちゃうよね。よく今まで、生きて来れたよね。不思議だよ、ホントに」

茉莉が舌打ちをすると、悔しそうに鼻皺を寄せて怒りをあらわにした

「おいおい、俺の女をいじめんなって」

ケンケンが立ち上がると、マサ君の隣に移動して肩を叩いた

マサ君は肩を動かして、ケンケンの手を払うと睨みつけた

「ケンは馬鹿だけど、女にまで馬鹿だとは思わなかったよ」

マサ君の言葉に、さすがのケンケンも表情が曇った

「それってひどくね?」
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