真面目なあたしは悪MANに恋をする
ふと、自分が19歳だったことを思い出す

高校卒業して、ホールのバイトメンバーとよく居酒屋に行って飲み会をしてたし、短大の友人たちとも酒を飲んでたから

あたしが未成年であることをすっかり忘れた

そっか

あたしも片岡君と同じ、未成年だ

「なら、お酒は無しで決定ですね」

「はぅ…未成年って言わなければ良かった」

あたしはがっくりと肩を落とした

そういえば…あたし、普通に会話をしてる

少し前までは、涙が勝手に出てきて止まらなかったのに

片岡君が、気分転換をしてくれてる

話をそらして、あたしの気持ちを悲しい出来事から突き放してくれた

靴だって、手に持って嫌でも、視界に入ってたらきっとずっと、ヒールが折れたことを考えて、憂鬱になってた

片岡君ってすごい

さりげなくあたしの気持ちをコントロールしてくれてる
< 18 / 438 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop