真面目なあたしは悪MANに恋をする
あたしはスリッパを履くと、片岡君の部屋のある3階に歩を進めた

2階はシーンと静まりかえっていた

この時間は仕事をしているのだろうか?

それとも寝ているのか?

あたしは片岡君のあとを追って3階にある一番奥の部屋に向かった

「ここが僕の部屋だよ」

そう言って、片岡君はドアを開けてくれた

モノトーンの落ち着いた室内が、あたしの視界に入る

10畳ほどの室内に、机にベッド、本棚…それに小さな冷蔵庫もあった

「綺麗…」

あたしの部屋より片付いてるよ

質素で、無駄な物品など何ひとつない部屋だった

雑誌が散乱しているわけでもなく、本は本棚にきちんとおさまっていて、机の上には何も置いていない

ベッドもきちんと整えてある

「適当に座って…てわけにいかないね。座布団とかないから…、ベッドに座っていいよ」

片岡君は、クローゼットからハンガーを出すとあたしのコートをかけてくれる

冷蔵庫から、500mlのお茶のペットボトルを出すと、あたしに差し出してくれた

「こんなもんんしかないけど…ごめんね」

「ううん、ありがとう」

片岡君は机の中にしまってある回転椅子を出すと、そこに腰をかけた

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