真面目なあたしは悪MANに恋をする
「付き合ってない…てか、誰? うっさいよ。出てって」

茉莉が不機嫌な声で、兄さんに口を開く

「見てわからない? 兄弟なんだけど、しかも双子」

「だから? 私、あんたなんか知らないし、話をしたいとも思わない」

「失礼な子だよね。ここ、俺んちの病院なんだけど?」

「だから何? 感謝しろって言いたいの? それとも何? 助けたんだから、抱かせろともで言いたいわけ? 抱きたいなら抱けばいいじゃん。こんな怪我人の体でいいなら、好きにすれば」

「ほぉ。それは覚えておくよ。だけど俺、こんな汚らわしい女に興味ないんだよね」

俺は勢いよく立ちあがると、兄さんの頬を殴った

「五月蠅いんだよねっ。人を貶すことしかできないなら、さっさと家に帰れよ。大好きなママの料理も食って、せいぜい俺の悪口を言えばいいさ」

床に尻もちをついた兄さんの首根っこをひっつかむと、廊下に摘まみ出した

バタンと勢いよく、ドアを閉めると荒々しく息を吐きだした

本当に、五月蠅いんだよね

あいつは…俺のまわりの人までも傷つけて嘲笑う

「……ごめん」

俺は茉莉に謝ると、丸椅子に座った

「最低な双子たちね」

茉莉はぷいっと横を向いた

「わかってるよ……わかってる。君を傷つけるつもりはないんだ。ごめん」

俺は茉莉が見ていないとわかっているけど、ぺこっと頭を下げた

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